「 ジャージと呼ばないで 」
デザインワークスのオフィシャルブログをご覧頂いている皆さん、こんにちは。
DESIGNWORKSメンズディレクターの川城と申します。
さて、第3回は極めてまじめな内容です。
と、書きながら、最初の題名がかなり古い方にしか理解が出来ないパロディになっておりますが・・・
『パパと呼ばないで』
1972年放送のテレビドラマですから、40代の方でも記憶にない方もいらっしゃるかもしれませんが、
再放送でご覧になったり、「おいチーボー」のモノマネは耳にしたりした事があるのでは?
脚本を向田邦子も書いていて、時には矢田陽子といったペンネームでも執筆していたみたいです。
閑話休題。
昨今のメンズファッションにおいて、ジャージ素材の重要性・汎用性は目を見張るものがあります。
様々なアイテムに活用され、素材の表情や感触も本当に多種多様になっており、「これがジャージ!?」
なんて商品も数多く見かけますよね。
その多くは今までの布帛素材であったものをジャージで置き換えているアイテムが主なものでしたが、
それに留まらない素材開発や商品開発も進んでいます。
デザインワークスが、鹿の子と呼ばれるポロシャツなどで使用されているジャージ素材を使用した
ジャケットを世に送り出したのが8年前。
その後もジャケットを中心にシーズンを問わず展開し、見た目を限りなく布帛に近付け、
スーツでの提案なども行ったりして来ました。
そして細身のデザインが主流になり、ストレッチ素材が重宝されればされるほど、
ジャージ素材の存在感は増すばかりでした。
しかし、どうしても克服できないジャージ特有の弱点があるのです。
伸びるのですが回復力が弱いんですね。
ストレッチの糸を入れ込んだりして打開策はない事もないのですが、これではジャージの特徴である
布帛より軽い点を消してしまうのです。
ジャージの特性を消さず弱点を克服する、云わば、布帛とジャージの良い所取り。
そんな贅沢な素材はないものなのか?
あるんですね!
繊維の世界も日進月歩!
それはデザインワークスで取り扱いを始めて5シーズン目の「バランサーキュラー」と呼ばれる、
日本にしかない特殊編み機で作られている素材です。
今回はこの素材を使用したスーツのご紹介です。
兎にも角にも、見て・触れて・着て頂きたいのですが、一見はウールのフラノ素材にしか見えません。
百聞は一見に如かず。なんて言葉がありますが、こちらは一見しても布帛としか見えません。
ジャージは縦編み横編みとありますが、多くは横編みの一種の丸編みと呼ばれているもので…云々
失礼しました。
ファッションは言葉で多くを語るものではないですね。
簡単に従来のジャージとの違いは、
◎ストレッチ糸を使用しなくてもキックバック性に優れており、型崩れしづらくシワの復元力が高い。
◎編みの構造が切りっぱなしでもOK!これは、まつり縫いをせず縫い合わせる事が可能で、
ジャケットのラベルに代表とされるエッジを効かせたい箇所が際立つ(=布帛と同様の仕上がり)。
こんな贅沢な素材を、今シーズン注目の3ピースでエグゼクティブなスタイルはいかがです?
今年も大活躍のタートルネックでジャケパンスタイルも
正当なルックスを保ちながら、革新的な素材で快適な着心地を体感しに、是非、お店に足をお運び下さい。
あっ!
本日発売のLEONにも掲載されていますので、こちらもチェックしてくださいね。
それにしても、たったこれだけの文章を書くのに四苦八苦して、これからも続けられるのか…
毎週金曜日と言わずに、隔週にしておけば良かったなぁ~
話のオチを上手くつけようとすればするほど頭の中が真っ白に。
なんて…
冒頭の向田邦子のペンネームである矢田陽子は、「やだよ~」をもじったらしいです。
自分は川城から「真白」にしようかな。
(上手く落とせなくてすみません)
又、来週お会いしましょう。