谷田浩巳「Unveil」

 谷田浩巳氏は今、アート界で最も刺激的なアクティビティを示している作家のひとりです。ワインソムリエとして飲食業界での長い経験を持つうちに彼は、ワインのキャップシールが単なる金属素材ではなく、剥がした場で交わされた会話や香り、その記憶と時間の表徴だと確信します。それらを真に「味わい尽くす」ことをコンセプトに試行錯誤を重ね、キャップシールを主な画材に使うことで作品の内に留める独自の絵画様式を確立し、現代アーティストへ転身しました。

 シール素材特有のトーンを活かしつつ、アクリル絵具や箔を援用する重厚な色彩と絵肌の面白さは、ワイン通のみ知りうる蘊蓄がなくとも圧倒される、比類のない濃厚な迫力を湛えています。また廃棄される運命だったキャップシールに未知の価値を唱えた物語性にも注目が集まっています。特に、ワインのテイスティングにおける感覚や心理的変容をテーマとした「テイスティングシリーズ」では、五感を通じて日常の美や記憶を深く享受することを追求して、各所での展示のたびに強く支持されています。

 本展で谷田氏は、アートを仲立ちとしながらファッションとワインのコネクトに挑みます。タイトルには、ワインの抜栓直前にソムリエが抱くという未知なる味わいへの期待と緊張、高揚を込めました。さらに、新しい自分に出会うべく開ける試着室のカーテンをも意味しています。彼は「服を愛する人々が集う場(SPEAK FOR)で、布(カーテン)という共通言語を通じワインの美学を提示することに大きな意味を感じています。鑑賞者の日常に新たな幕開けを感じさせたい」と言います。

 本展では、4号から20号までの大小8点前後の新作を展示・販売いたします。

【開催概要】
タイトル : ​谷田浩巳 Unveil
会期 : 2026年5月13日(水)~ 31日(日)
会場 : SPEAK FOR WALL(東京都渋谷区猿楽町28-2-2F SPEAK FOR内)
営業時間 : 12:00~19:00 月火定休 ※祝日は営業

【アーティスト情報】
谷田 浩巳(たにだ・ひろみ) アーティスト
高知県生まれ。飲食業界勤務を経て、2018年に自らチーズプロフェッショナル、ワインソムリエとして「Bar à fromage sousvoile」(二子玉川)をオープン。ワインのキャップシールを画材として用いる独自の技法様式と「味わい尽くす」世界観を創出し、23年より本格的にアーティストとして活動を始めた。最近の主な個展に「Notes on Softening / ひらく」(26年、原宿・Empathy Gallery)、「谷田浩巳原画展」(同、表参道・Eric Rose Cafe Tokyo)など。その他グループ展へも活発に出展し好評を博している。

【メイン画像】
Madame Lily, 2026, Mixedmedia(wine capseals, acrylic on woodenpanel) , 727×606mm
©Hiromi Tanida

【企画・問い合わせ先】
合資会社サブライム 担当 : 吉田広二
〒153-0042 東京都目黒区青葉台1-6-53 青葉台マンションB3号室
T.050-3555-6703
koji@galleryspeakfor.com