キャンバスの上で、濃淡さまざまな絵具が身体性を備えるかのように咲いては朽ち、また蘇生することを繰り返す抽象的世界が、勝間一衣氏の絵筆から次々と広がっています。時には砂利などの異素材を混ぜるなどして創出する絵肌の厚い積層が、それと対峙する者に言いようのない静寂の時間を授けてくれます。
24年に開いた彼女の初個展タイトル「クオリアの質量を求めて」で触れたように、彼女の創作は「感動には質量があるのではないか?」との仮説を起源としています。ふと心が動く瞬間、身体に染み入るような感情、光や音の記憶がもし一過性の感覚知ではなく、積み重なって色彩や奥行きとして感じとれるとしたら。そんな深いIF(イフ)の世界への希求を勝間氏のアートは指し示しています。
まだキャリアを始めたばかりですが、「Independent Tokyo」などのフェア、グループ展で高い注目度を獲得しており、今後の展開に期待が高まっています。
本展は、彼女が新しく取り組み始めたシリーズを世に問うものです。油絵具が本来持つ性質を最大限に活かしながら、光を求め掻き入れるように描かれるユニークな画想。その末に作り出される円弧状の無数の艶は、向こうにある何かを懸命に探し求めている狂おしい願いのようにも感じられるでしょう。「油絵具が持つ光沢や質感、試行錯誤した筆跡。それらは私が生き、制作してきた痕跡でもあります。作品を通して鑑賞者それぞれの<déjà-vu>に触れ、感動の質量として呼び覚ますことができたら」と彼女は語ります。本展では、4号から20号までの大小8点前後の新作を展示・販売いたします。
【開催概要】
タイトル : 勝間一衣 déjà-vu
会期 : 2026年9月16日(水)~ 10月4日(日)
会場 : SPEAK FOR WALL(東京都渋谷区猿楽町28-2-2F SPEAK FOR内)
営業時間 : 12:00~19:00 月火定休 ※祝日は営業
【アーティスト情報】
勝間一衣(かつま・ひとえ) ペインター / アーティスト
東京都生まれ。アパレルメーカー勤務の傍ら、創作活動を開始。アーティスト・奥田雄太氏に師事しながら、26年より本格的にアーティストとして活動中。yutaokuda studioによるグループ展「EMERGE」(26年、笠間市・常陸国出雲大社境内 ギャラリー桜林)に選出され今後の展開が期待されている。最近の個展に「Scraps of Everyday Life」(26年、谷中・COUZT CAFE + SHOP)、「光展」(25年、高輪・nino画廊 happisimo)、「色展」(同年、静岡県島田市・CHA.BEYA ARTGALLERY )など。
【メイン画像】
Scrap_20260730, 2026, Oil on linen, 727×600mm
©Hitoe Katsuma
【企画・問い合わせ先】
合資会社サブライム 担当 : 吉田広二
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