2014.06.16
BEST HITS DWM vol.2
~ウォーターレッティング・リネンジャケット~
皆様こんにちは。
デザインワークスディレクターの川城です。
前回のブログアップから何と3ヶ月も経ってしまい、
ソチオリンピック終了ネタから世の中はワールドカップ一色で、
自分の怠慢さに呆れ返っています。
自己反省の弁からの唐突の入りですが、某日、7月売りの某雑誌で某企画の撮影がありました。
50歳以上限定のオヤジコレクションだそうです。
(企画タイトルがあるのですが、恥ずかしくて書けません)
まあ、私も御歳51歳(自分で敬称を使う)なので参加資格はあるのですが、
他のメンバーを聞いて、「若憎は脇役だな…」と内心で呟きながらも、
朝からの雨が撮影時間に合わせたように上がって、雲の切れ間からの日差しが妙に神々しく、
空気も澄んだ感じで気分良く撮影が進行していきました。
この日の装いは雑誌社からの縛りも無く、ある程度自由でしたが、
最近の気分は「普通」で、肩肘張らない様にとジーンズでのコーディネイトをと考え、
ジャケットもカーディガンみたいに羽織る軽いものかな?
なんて、頭に描いていたのですが、手にとって家を出たのが、リネンのダブルブレスト。
それも金釦。
改めて写真を見ても「肩肘はらない」とはとても言えないな。
と、自己反省しながらこのブログを書き始め、ハタと気が付きました。
それは何か?と、この続きに入る前に薀蓄を少々。
サブタイトルにある「ウォーターレッティング・リネンジャケット」とは、
このベージュのブレザーの事なのですが、素材が秀逸なのです。
リネンのジャケットはこの時期には無くてはならないものですが、
一度の着用でシワが気になり、プレスをしっかりあてないとヨレ感が半端ないのが欠点ですね。
ところがこの素材はリネン100%でありながら、シワは入るのですが、
風呂上りの浴室に吊るしておくだけで、翌日には少し味が出る感じのシワしか残りません。
その秘訣はリネン繊維を取り出す方法にあるのですが、
それが「ウォーターレッティング」と呼ばれている方法です。
レッティングとは、植物の茎などから繊維を取り出す手法で、紙の原料も同過程を経るのですが、
ウォーターレッティングの名の通り、川や池の水に長期間浸して、繊維以外の物質を腐らせて取り除く方法ですが、
水質汚染の問題で現在は殆ど行なわれていません。
メリットとしては、水のみを使うことにより繊維の弾力を生む組織がそのまま残り、
これが麻素材にして復元力がキープできる要因となっているのです。
この素材を扱ったのは3年前で、麻を扱う紡績工場が奇跡的に仕入れる事ができ、
それを絶妙なタイミングでデザインワークスが製品化したジャケットでした。
ではでは、何をハタ!と気が付いたかと言うと、
何てことはないのですが、水(雨)が余分なものを洗い流すと…
すみません、長々とここまで読んで頂いた方には申し訳ありませんが、
これだけのことでした。
それでは
See you next time!